サイバネティクス全史
人類は思考するマシンに何を夢見たのか

トマス・リッド
松浦俊輔訳
本体 3,600円
ISBN 978-4-86182-652-8
発行 2017.9
【内容】
第二次世界大戦中に対空兵器研究において大きく浮上した計算機科学。そのなかで数学者ノーバート・ウィーナーによって、人間と機械(マシン)を統合する理論「サイバネティクス」は誕生した。
サイバネティクスは現実世界でのイノベーションを通じて、同時代人の想像力に多大なる刺激を与え、人間の能力の限界を超える「サイボーグ」や、自由で開かれた「サイバースペース」の夢を生み出した。しかし一方でそれは、ロボットの反乱や、監視社会の到来、サイバー戦争・テロの可能性といった恐怖をもたらすことにもなる――。
近未来におけるユートピアの希望とディストピアの不安にたえず揺れ動いてきた「サイバネティクス神話」の思想や文化の系譜を、最新資料や関係者へのインタビューなども交えながら鮮やかに活写する。
【推薦文】
「戦争兵器からコンピュータ・ネットワーク、ソーシャル・メディア、監視技術、VRまでを一つのテーマで接続する。この衝撃の歴史に、読者は驚きの声をあげるだろう」――ケヴィン・ケリー(『WIRED』誌創刊編集長)
「著者はストーリーテラーとしての技術と、歴史家としての学識と、哲学者としての感性を兼ね備えている。本書は「サイバー」が人間の経験のほぼ全面にわたって、それまでのものとはまったく異なる事象であったことを明らかにしている」――マイケル・ヘイデン(元アメリカ国家安全保障局長官、元CIA長官)
「テクノロジーの巨人やエキセントリックな数学者から、SF作家やカウンターカルチャーの指導者までをめぐる20世紀の知の魅力的な冒険」――P・W・シンガー(国際政治学者)