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中国にとって、農業・農村問題とは何か?
〈三農問題〉と中国の経済・社会構造

【内容】
中国国家の存亡は、〈三農問題〉が決定する――。〈三農問題〉の提唱者であり、中国政府の基本政策を転換させた温鉄軍の主要論文を本邦初訳。
ステレオタイプや極端な現象のみへの注目を超えて、中国経済・社会を構造的・歴史的に理解するために――。
中国にとって「農業・農村問題」は、歴史的に常に最大の問題であった。そして現在、急激な経済発展のなかで、都市/農村の格差拡大、農業の不振、農村の疲弊、農民の貧困が進み、農民暴動も頻繁に発生している。これらは、中国では「三農問題」として議論・研究されており、中国政府も現在、公式にこの用語を採用している。この用語と概念を提唱した人物こそが、温鉄軍である。
温鉄軍は、長年にわたって「三農問題」の研究、その改善活動に取り組み、社会や政府に対し警鐘を鳴らし続け、ついには中国政府を動かすに至った。本書は、温鉄軍みずからが選出し構成した、初めての日本語版の論文集であり、「三農問題」とその背景となる中国の経済・社会構造について、歴史的・理論的に理解するための、日本で初めての基本文献となるものである。

【著者紹介】
温 鉄軍(ウェン・ティエジュン)中国人民大学教授、同大・農村農業発展学部学部長、中国経済改革学会副事務局長。経済学管理博士。一貫して農民の立場に立って農村問題に目を向け続け、1996年、農業の不振、農村の疲弊、農民の貧困を「三農問題」と名付けて提唱し、いち早く警鐘を鳴らした。胡錦濤政権は、「三農問題」という言葉を採用し、中国の最大の問題として最優先課題にすると公式発表するに至った。 1951年、北京生まれ。文革時代に11年間もの「下放」経験の後、さらに11年にわたって農村実験区で研究員を務めた。1998年、政府より特別給付を受ける「政府特別補助専門家」となり、以後、数多くの国家プロジェクトに参加し、農業・農村政策に関わる。さらに、国連、EU、APECなどの国際機関のプロジェクトにも参加し、途上国の近代化の比較研究にも心血を注いでいる。 2002年、雑誌『中国改革 農村版』を創刊し編集長となる。同誌は「三農問題」への社会的関心を喚起するとともに、農民に発言や交流の場を提供するという、“農民の声”を代表するメディアとなった。また、民衆の生活・連帯・文化の再建によって農村を再建しようという「新農村建設運動」を提唱し、2003年、中国初の無料で農業研修を行う「晏陽初郷村建設学院」を設立した。 こうした農村の改善活動の実践によって、研究者という枠を超えた国民的な人気があり、2003年には、中国中央テレビ(CCTV)による「最も影響力がある経済人」に選出され、2004年にも、中国全土の14大ホームページが選出した「ネットユーザーに最も人気のある重要人物」(最受網民歓迎的重大嘉賓)にも選ばれている。