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犬が尻尾で吠える場所

【内容】
パリとカリブ海、一族の物語。
小さな島の一つの家族の歴史と世界の歴史・人・文化が混ざり合い、壮大な物語が展開される――。
カリブ海/全=世界カルベ賞などを受賞し、各所で好評を博した著者デビュー小説!

パリの街外れに生まれ、父がルーツを持つカリブ海のグアドループ島とは肌色と休暇時の記憶のみでしか接点を持たない若い女性である「姪」が、家族のルーツを求めて自身の父と父方の伯母たちに話を聞きながら一族の歴史を掘り起こし、自らの混血としてのアイデンティティを練り上げていく――。
複数の言語の間で、語り手の三姉弟はそれぞれに、自らの望むありようや生き方にふさわしい言語態度を探り当てようとした。(…)「姪」も、クレオール語を母語とはしていない。十全に話せるわけでもない。それでも「姪」はグアドループから受け継いだ何かを「自分の体の内に、言語の内に、世界の多様性の受け止め方の内に感じて」(…)いたし、「すべての大陸を旅した迷えるさすらい人たるアンティル人」(…)としての「自分の来歴とそれを形作るものを愛することを学んでいた」(「訳者あとがき」より)


【著訳者略歴】 エステル=サラ・ビュル(Estelle-Sarah Bulle)
1974年にクレテイユで、アンティル諸島に出自を持つ父親とベルギー人の母親のもとに生まれる。パリとリヨンで学んだ後、コンサルティング会社に勤務。その後、ルーヴル美術館の文化機関で働くようになり、機関役員のスピーチ原稿の作成などを担当する。長らく文筆業への従事を望んでおり、40歳頃に離職、処女作である本作の執筆に着手し、2018年に出版に至る。現在はヴァルドワーズ在住。処女作である本作の出版の2年後、2020年に早くも2作目を出すなど、意欲的に執筆活動を展開している。

山崎美穂(やまざき・みほ)
慶應義塾大学大学院仏文学修士号、東京外国語大学大学院学術修士号を取得。現職は公立高校のフランス語講師。文化・文学・芸術分野における仏日翻訳や日仏翻訳のほか、社会学関連記事の英日翻訳、公益財団法人での執筆などに携わる。