ファウスト
ゲーテ
粂川麻里生訳
本体5,400円
ISBN978-4-86182-924-6
発行 2022.8
【内容】
ほぼ全てのセリフが詩であり、韻律を持った言葉として書かれた歌劇の魅力を最大限に引き出した、声に出して読む『ファウスト』!
マルチヴァース(多層宇宙)の世界観が舞台上に展開される稀有な演劇作品の最新訳。
『ファウスト』は、ほぼ全てのセリフが詩であって、韻律を持った言葉として書かれているのである。……とりわけ第二部は、古代ギリシャ悲劇の形式に則って作られている部分が多い。……特に第三幕のヘレナ劇はかなり忠実な古代ギリシャ悲劇形式になっている。すなわち、今日のオペラやミュージカルに継承されている古代ギリシャ悲劇の形式を『ファウスト』もまた持っていた。決まった音楽や譜面こそないが、歌舞音曲や群像によって初めて意味が明らかになる場面などが多々ある。本翻訳では、そのあたりもできるだけはっきりと意識して訳し分けたつもりだ。心の中で「上演」しながら、楽しく読み進めていただけるなら訳者の幸いである。――本書「訳者解説」より