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世界名作探偵小説選

【内容】
『名探偵ホームズ全集』全作品翻案で知られる山中峯太郎による、つとに高名なポーの三作品、「隅の老人」のオルツィと「フーマンチュー」のローマーの三作品。翻案ミステリ小説、全六作を一挙大集成!
「日本シャーロック・ホームズ大賞」を受賞した『名探偵ホームズ全集』に続き、平山雄一による原典との対照の詳細な註つき。ミステリマニア必読!


『名探偵ホームズ全集』(全三巻、作品社)に引き続き、山中峯太郎が翻案した探偵小説をご紹介できるのは、喜ばしいことこの上ない。
(…)峯太郎の功績はホームズだけにとどまるものではない。『名探偵ホームズ全集』の解説にも書いたように、最初は「世界名作探偵文庫」の一部としてホームズは始まり、峯太郎はホームズ以外にも筆をとっていたことは、児童書やミステリのマニアしか知らない。さらにホームズの余勢を駆って、「ポー推理小説文庫」というシリーズも発行されたのだが、残念ながらこちらは志半ばで中絶してしまっている。
本書では、それら「ホームズ以外」の峯太郎翻案の探偵小説を集め、原典と比較をし、彼特有の手法を明らかにするとともに、今一度翻案の楽しさをご紹介したい。(平山雄一「解説」より)


【著者/訳者/解説・註作成者略歴】
エドガー・アラン・ポー(Edgar Allan Poe)
1809-1849。アメリカの詩人、小説家、編集者、批評家。ボストンに生まれる。「推理小説の父」であるばかりでなく、アメリカ文学の広い分野やフランスの象徴派などに大きな影響を与えた。代表作として「アッシャー家の崩壊」、「ウィリアム・ウィルソン」、「早すぎた埋葬」、「大鴉」(詩)、「赤死病の仮面」などがあり、邦訳は枚挙に遑がない。

バロネス・オルツィ(Baroness Orczy)
1865-1947。ハンガリー低地地方のターナ=オルスに生まれる。14歳でロンドンに移住。1901年から『ロイヤル・マガジン』誌で「隅の老人」シリーズの連載を開始。本作の主人公はのちに「シャーロック・ホームズのライバルたち」に数えられ、「安楽椅子探偵」の嚆矢ともされる。他の代表作に、1905年に演劇として上演され、小説も10冊以上が刊行された「紅はこべ」シリーズなど。

サックス・ローマー(Sax Rohmer)
1883-1959。イギリスの作家。本名アーサー・ヘンリー・サースフィールド・ワール。バーミンガム生まれ。銀行業界から新聞業界に転じ、作家となる。ロンドン在住中に中国人街に親しみ、のちの作品に影響を及ぼした。フー・マンチュー・シリーズが代表作だが、他にも邦訳は『骨董屋探偵の事件簿』(創元推理文庫)、『魔女王の血脈』(ナイトランド叢書)などがある。

山中峯太郎(やまなか・みねたろう)
1885-1966。大阪府に呉服商馬淵浅太郎の子として生まれ、陸軍軍医山中恒斎の養子となる。情話小説、宗教書、少年少女小説、軍事小説などを執筆し、『少年倶楽部』に発表した『敵中横断三百里』(1930)、『亜細亜の曙』(1931)で熱狂的な人気を得た。戦後は再び少年小説で活躍するとともに、回想録『実録・アジアの曙』(1962)で文藝春秋読者賞を受賞、テレビドラマ化された(大島渚監督)。

平山雄一(ひらやま・ゆういち)
1963年東京都生まれ。東京医科歯科大学大学院歯学研究科卒業、歯学博士。日本推理作家協会、『新青年』研究会、日本シャーロック・ホームズ・クラブ、ベイカー・ストリート・イレギュラーズ会員。著書に『明智小五郎回顧談』(ホーム社)、『江戸川乱歩小説キーワード辞典』(東京書籍)など、訳書に、ファーガス・ヒューム『質屋探偵ヘイガー・スタンリーの事件簿』(国書刊行会)、バロネス・オルツィ『隅の老人【完全版】』(作品社)など。