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チョコレート色のほおずき

【内容】
23歳OLの私に思いがけない子宮内膜症。手術と告げられパニックになるが……頼りの彼氏には彼女が出来ていた。突然の病気に夢も希望も一挙に砕かれ、人間不信と不安におののく若い女性の切なくて純粋でキリキリした想いを痛切に描く、新鋭女流の鮮烈なデビュー作。 手術に対し、誇張した想像を膨らませている私は、溢れる豚の血を見ながら、手術台に横たわり、股の間から血を流す自分の姿を想像する。手術をしたって完治はしない病気。思い描いていた留学すらできない。会社を辞めて何か表現を模索しようと思っていたのに、病気と失恋にとらわれてなかなか前進できない。私は立ち止まっている。何をやっているんだろう。早くテレビに代わる自分の表現を見つけなければと思う。同時に、病気が進行する前に子供を産んでおいた方がいいのではないかと思う。――本文より

【著者紹介】
藤村昌代(ふじむら・まさよ)1973年、愛知県渥美町生まれ。95年、早稲田大学社会科学部卒業。テレビ番組のアシスタント・ディレクター、現代美術作家助手などを経て執筆活動中。