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鉢屋秀吉 第一部 陰の一族

【内容】
「八の者」とは「鉢(蜂)の者」であり、「鉢屋」とも言われる。百済渡来の亡命道士を遠祖とするこの一族は、医薬師、鉱山師、鍛冶・鋳物師、土木、番匠、楽人などの技術者を多く含んでいた。やがて彼らは修験者や行者として生計を立てるようになる。 しかし大和朝廷による全国統一が進むにつれ、諸国遊行の自由人である彼らの存在は邪魔となった。藤原不比等による役小角の流刑とともに彼らも大和を追われ、各地へ散っていった。この時八ヶ岳に入った一族がサンカとなる。 長い流浪の歴史のなかで夜盗・野伏も生業とした彼らは、諜報・武術にも長け、政情不安ななか各地の守護や豪族に雇われるようになった。それでも鉢屋が賎民であることは変わらず、乱破、透破、突破と呼ばれて賤視されてきた。またその他にも、身につけた伝来の技術で糊口を凌ぐ者も大勢いた。彼らは次第に遠祖、空也上人の流れを酌む、一遍の時宗へと移り、その多くが自らに阿弥号をつけるようになる。この者たちによって、連歌や能、花道、茶道、築庭などの文化も開花した。また大規模な商いによって巨万の富を得る豪商なども現れた。 「八の者」出身の秀吉は、千利休その他同族の支援を受けて成功するが、やがて私欲のために同族を裏切り、出自の秘密を知る利休を死に追いやる。空也、一遍の教えを継ぎ、弥勒下生の世の実現のため同族の与望を担って登場した秀吉も、同族を裏切ることで見放され、天下の覇権がやはり同族の世良田の次郎三郎(家康)に引き移されるまでが描かれる壮大な歴史ロマン。

【内容目次】
はじめに
1 端柴売り
2 八瀬の見知り
3 放浪
4 うつけと猿
5 兵は詭道
6 仲とお寧
7 表裏の顔
8 誉め殺し
9 羽柴秀吉
参考文献

【著者紹介】
本名=黒須孝治 1932年、千葉県生まれ。1955年、早稲田大学文学部卒業。日活株式会社入社。映像本部企画部長、テレビ本部企画部長を経て現在フリープロデューサー。著書に『元禄蘇民伝』(河出書房新社)『天保蘇民伝』『役小角』『続・役小角』『外伝・役小角』『覇王 不比等(全3巻)』(作品社)など。

鉢屋秀吉 第二部 筋者の道』へ