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二〇二〇年という幕末

【内容】
コロナ禍に揺れる二〇二〇年の日本から幕末の蘭医で近代化学の祖である川本幸民のなした翻訳文化の知の体系を照射した表題作と、ルネサンスを生きた人文主義者マキァヴェッリの宗教への想いを描いた「残映のマキァヴェッリ」
日本とイタリアを舞台に、「近代」とは何かを鋭く問う、歴史小説集!

……妻が朗らかな声で、地ビールみつけてきたわ、と言った、……まず目に飛び込んできたのは「復刻版」という大きな文字だ。その字の上に「幕末に日本人が最初に造ったビール」とあって、その左横に説明書きがある――「幸民麦酒は、幕末に黒船が来航した一八五三年、日本ではじめてビール醸造に成功した蘭学者川本幸民のビールレシピを復元したビールです」……幕末から明治維新の文化構造、その内実は「翻訳文化」にあり、イタリア再生期の文化も「翻訳文化」の賜物なのだ。この重なりに……イタリア再生期の文化に関心を寄せている私は知的な興奮を覚えた。(「二〇二〇年という幕末」より)