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桜木紫乃の肖像
北海共和国とクシロの人びと

【内容】
桜木紫乃文学は世界文学になり得るのか。
「ジェイムズ・ジョイスによってアイルランド文学が構築されたように、桜木紫乃によって〈北の日本文学〉ではない、真の北海道文学が構築されることを期待している。それはすでに北海道文学ではなく、もうひとつの共和国の文学と呼ぶにふさわしいかもしれない」(本書より)
北海道文学やクシロ文学が世界文学になり得る可能性を提示した新しい文学論。


【内容目次】
はしがき
なぜ書くのか──現代文学をめぐる疑問
序章 クシロの人びと──クシロとダブリン
(1)地政学的な類似
(2)飛翔への夢──ダブリンの人びと、クシロの人びと
第1章 桜木紫乃とクシロの春夏秋冬
第一節 橋(春)
(1)出会いと別れ──習作期の作品
(2)移動と通路──「海に帰る」
(3)起点と終点──「海へ」「フィナーレ」「絹日和」
(4)死と再生──「根無草」『緋の河』『胡蝶の城』
第二節 霧(夏)
(1)自我の小宇宙──「霧繭」
(2)孤独と死滅、自我と自尊──「たたかいにやぶれて咲けよ」
(3)北の深い霧、霧と記憶──『霧ウラル』『風葬』
(4)風化と忘却、傷痕とデジャブ──『氷の轍』
第三節 崖(秋)
(1)崖下の人間群像──「起終点駅(ターミナル)」
(2)崖下の憂鬱、定住と漂泊──「月見坂」
(3) 上昇への希求、欠損と喪失──『ブルース』『ブルースRed』
(4)崖上の孤独、高台の終焉──『無垢の領域』『家族じまい』
第四節 湿原(冬)
(1)希望と挫折、栄枯盛衰──「明日への手紙」『ホテルローヤル』
(2)傷痕、過去記憶──『硝子の葦』
(3)谷地眼、深層心理──『凍原』
(4)有為転変、人生行路──『蛇行する月』
第2章 北海道とクシロの人びと
(1) 砂感覚(自我の凝縮)──『砂上』
(2)星感覚(自己存在の昇華)──『星々たち』
(3)蓋感覚(封印と決壊)──「水の棺」「絹日和」
(4)旅感覚(漂泊の魂)──『ラブレス』
(5)羽感覚(飛翔への願望)──初期詩作、「風の女」『裸の華』
終章 アイルランド文学、北海道文学、クシロ文学
(1)アイルランドと北海道、ダブリンとクシロ
(2)荒蕪地体験、飛翔と昇華
参考資料:『釧路春秋』『北海文学』収録作品(詩:金澤伊代、小説:桜木紫乃)
索引