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感情の化学

【内容】
ある眼科医を襲った鬱病の恐怖。大学病院退職、入院生活、そして再就職先での理不尽な仕打ちを迫真の筆致で綴る。書き下ろし小説。


 赤子の満ち足りた寝顔からは快感の後光が差してくるが、大人の苦渋に満ちた表情からは現実との軋轢による不協和音が聞こえてくる。不協和音とは心身問題に他ならない。人間社会との違和は体内で固形化して痛みの発生源となる。その異物は破壊するか、排出するか、抱えたまま死ぬまでもがき苦しむかである。もし、もう一つの方法があるとしたら、それは錬金術だろう。異物を貴金属に変える、すなわち、痛みを快感に変換するのである。それは異物の錬金術と呼ぶべきものだ。(本書より)

【内容目次】
プロローグ
一 境界を跳び越える日
二 西病棟三〇七号室
三 巨艦からの脱出
四 キーンホルツの黒い金魚
五 制裁
六 冬の旅
エピローグ


【著者略歴】
高見沢草介(たかみさわ・そうすけ)
神奈川県生まれ。慶應義塾大学医学部卒。医学博士。著書に、『異物の国への旅』、『希望小路』(ともに作品社)がある。ブログ「目玉医者のスローライフ日記」 http://blogs.yahoo.co.jp/slowlifeeye