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グリーン・カルテ

【内容】
心身に病を得て、なずみがちな気分の中で続けられる、なぜかユーモラスでポエティカルな飄逸の日々。群像新人賞最終候補作を含む、著者初の小説集。
 鏡を見ると私は明らかに太りつつあるのがわかった。ステロイドの副作用で特に顔が丸くなってきていた。気分までにわかに腫れぼったくなった。月曜日には体重測定があったが、その結果によれば私は五キロ以上も太っていた。それほど激しい体重増減はない体質なので、こんなに太ったのは中学生の時以来だった。顔つきもにわかに子供じみてふてぶてしく、幅広のプリーツのある灰色の夏服や兎跳びや斜め懸垂を思い出さずにはいられなかった。(「グリーン・カルテ」より)

【内容目次】
「グリーン・カルテ」 「ニセコアンヌプリへの登頂」 「三日間」

【著者紹介】
川上亜紀(かわかみ・あき)1968年生まれ。小説家・詩人。詩集に『生姜を刻む』(新風舎、1997年)、『酸素スル、春』(七月堂、2005年)がある。