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江戸の憲法構想
日本近代史の“イフ”

【内容】
推薦:前法政大学総長・田中優子
「日本を、江戸時代からやり直したくなる。いや、やり直さなければならない。
強くそう思わせる、驚くべき著書だ。現代日本を見ていて「何かおかしい」と感じ続けている。近代と戦後日本は、もっと別の可能性があったはずだ。なぜ日本の近代は天皇制となり、その結果、あのような戦争に突入して行ったのか?戦後になったというのに、なぜ藩閥政治のような考え方が今でも世襲的に繰り返されているのだろう? なぜマルクス主義者たちは国粋主義者と一緒になって江戸時代を否定したがるのか? これらは明治維新のもたらしたものではないのか?
本書は、それらの謎を解く、新たな入り口を開けてくれた。発想の転換だけではなく、価値観の転換を迫られる」

“もう一つの近代日本史”の可能性

「本書では、江戸時代の知識人たちが構想したさまざまな憲法構想を読み解き、比較検討していくなかで、明治維新は唯一解ではなく、日本には多様な方向の近代化の可能性があり得たことを明らかにしたい。明治日本とは、それらの可能性の束のなかから、たまたま選ばれた一つに過ぎない。他の選択肢の実現可能性を検討していけば、明治維新が日本にとって最良の選択であったなどとはけっして言えないことが見えてくるだろう」――本書「はじめに」より


【内容目次】
はじめに――“江戸の憲法構想”と “もう一つの近代日本”を求めて
第1部 徳川の近代国家構想――もう一つの日本近代史の可能性
 第1章 よみがえる徳川近代史観――尾佐竹猛と大久保利謙
 第2章 慶応年間の憲法構想――ジョセフ・ヒコ、赤松小三郎、津田真道、松平乗謨、西周、山本覚馬
 第3章 サトウとグラバーが王政復古をもたらした

第2部 徹底批判〈明治維新〉史観――バタフライ史観で読み解く
 第4章 〈皇国史観〉〈講座派史観〉〈司馬史観〉の愛憎劇
 第5章 唯物史観からバタフライ史観へ
 第6章 丸山眞男は右派史観復活の後押しをした
 終章 福沢諭吉から渋沢栄一へ


【著者略歴】 関良基(せき・よしき) 1969年、信州上田生まれ。京都大学農学部林学科卒業。アテネオ・デ・マニラ大学フィリピン文化研究所客員研究員を経て、2002年京都大学大学院農学研究科博士課程修了。博士(農学)。早稲田大学アジア太平洋研究センター助手、(財)地球環境戦略研究機関客員研究員などを経て、現在、拓殖大学教授。主な著書『複雑適応系における熱帯林の再生――違法伐採から持続可能な林業へ』(御茶の水書房、2005年)、『自由貿易神話解体新書――「関税」こそが雇用と食と環境を守る』(花伝社、2012年)、『中国の森林再生――社会主義と市場主義を超えて』(向虎・吉川成美共著、御茶の水書房、2009年)、『社会的共通資本としての森』(宇沢弘文共編著、東京大学出版会、2015年)、『社会的共通資本としての水』(まさのあつこ・梶原健嗣共著、花伝社、2015年)、『赤松小三郎ともう一つの明治維新――テロに葬られた立憲主義の夢』(作品社、2016年)、『日本を開国させた男、松平忠固――近代日本の礎を築いた老中』(作品社、2020年)。