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ロシア革命
ペトログラード1917年2月

【内容】
世界戦争の時代に抗した “魂にふれる革命”新資料・新構想によって、ボリシェヴィキによる歴史の歪曲を廃し初めてその全貌を明らかにする。

「二月革命は、世界戦争の世紀である20世紀の幕を開いた、反戦・反軍の民衆革命のはじまりである……」(和田春樹)

「二月革命こそ、ロシア革命のもっとも根源的な革命であった」(和田春樹)
 二月革命は、19世紀の幕を閉じた最後の市民革命であるとともに、世界戦争の世紀である20世紀の幕を開いた、反戦・反軍の民衆革命のはじまりであった。この民衆の反戦・反軍の革命が、ブルジョア市民の革命との共同の成果である臨時政府を押し倒したのが、一〇月革命である。しかしながら、現実を直視すれば、ロシア革命は、民衆が望んだ平和で軍隊のない社会をつくりだすことはできなかった。(……)
 私は、かつての「二月革命」について本をまとめるという計画を改めて実行するために、50年前の論文を書き直し、新たな資料や研究、新たな構想を加えて、本書を書きはじめた。私は、二月革命についての自分の歴史像を提示するとともに、二月革命からはじまり、一〇月革命、そして第三のレーニンの革命にいたる、三段階のロシア革命像に行きついた。(要約)

「私は二月革命を、どのように研究してきたか?」(和田春樹)
 私は、1959年春の論文で、ボリシェヴィキは「ソヴィエトを結成せよ」と大衆に訴えることはなかったのだと主張したが、これは日本でロシア革命についてなされた最初の研究であった。(……)
 私の論文「二月革命」(1968年刊)は、民衆の動きと民主諸党派に注目した研究であったが、二月革命を導く際に、ボリシェヴィキ党はいかなる決定的な行動提起もなすことができなかったのに対し、左翼自由主義勢力は、決定的な役割を演じたと見た。(……)
 私は、かつての「二月革命」について本をまとめるという計画を改めて実行するために、50年前の論文を書き直し、新たな資料や研究、新たな構想を加えて、本書を書きはじめた。私は、二月革命についての自分の歴史像を提示するとともに、二月革命からはじまり、一〇月革命、そして第三のレーニンの革命にいたる、三段階のロシア革命像に行きついた。(……)
 私は、2017年モスクワで開かれた革命100周年記念の国際シンポジウム「大ロシア革命」に招かれ、「二月革命──日本人歴史家の新しい見方」と題した報告を行ない、この新しいロシア革命像を報告した。(要約)


【著者略歴】
和田春樹(わだ・はるき)
1938年、大阪生まれ。東京大学社会科学研究所教授、所長を経て、現在、東京大学名誉教授。ロシア・ソ連史、現代朝鮮研究の第一人者であり、著書は60冊を超える。