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まだ見ぬ映画言語に向けて

【内容】
映画とは何か。映像とは何か。
我々はその問いに、答えを出しうるのか。
年齢差41歳の二人が、みずからの監督作と日本/世界の映画を語り、
映画/映像なるものの本質について、その深淵を徹底的に考察する。
時代を超えた映画のエティカ!


「まったく異なる世代の二人の映画作家・吉田喜重と舩橋淳が、今も新たな息吹を生み続ける映画という芸術表象について徹底考察する」という趣旨。企画者として、これは決して吉田監督作品の一ファンである舩橋淳の独りよがりにならないだろうという根拠のない自信があった。世代が離れていても、いや、世代が離れているからこそ、時代を超越して浮き上がってくる映画言語の本質に迫れるのではないかという直感があった。
 これより目にしていただくのは、同時代の感性をいったん切り離し、映画とは何か、その深層に向かって問い続ける作業である。それは映画表現の持つ自己優位性とその欺瞞を問いただすと同時に、それを突き抜ける映画のエティカを見定め、来るべき映画の次世紀を予見するための生産的な言葉の出逢いとなるに違いない。――舩橋淳「まえがき」より


【内容目次】
まえがき 時代を超えた映画のエティカ 舩橋淳
第一章 なぜ我々は映画監督になるのか
第二章 映画の現場論
第三章 映画言語とは何か
第四章 映画における肉体性
第五章 映画における性の表現と権力化
第六章 映像による日本近・現代史──映画が政治権力を表現することについて
第七章 映像はかぎりなく政治権力を無力化、あるいは否定する
第八章 映像における時代と状況についての考察──生きつつある倫理の苦悩
第九章 フィクションとドキュメンタリーのはざま
最終章 映画の秘めたる可能性と限界
あとがき 吉田喜重


【著者略歴】
吉田喜重(よしだ・よししげ)
1933年生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。1955年、松竹大船撮影所に入社。1964年、独立。監督作に、『秋津温泉』(1962)、『エロス+虐殺』(1969)、『戒厳令』(1973)、『鏡の女たち』(2003)など。著書に、『贖罪』(文藝春秋)、『吉田喜重 変貌の倫理』(蓮實重彦編、青土社)、『小津安二郎の反映画』(岩波現代文庫)など。

舩橋淳(ふなはし・あつし)
1974年生まれ。東京大学教養学部卒業後、ニューヨークで映画を学ぶ。監督作に『ビッグ・リバー』(2006)、『フタバから遠く離れて』(第一部2012、第二部2014)、『桜並木の満開の下に』(2013)、『小津安二郎・没後50年 隠された視線』(2013、TV)、『ポルトの恋人たち 時の記憶』(2018)、『ある職場』(2020)など。著書に『フタバから遠く離れて』(岩波書店)など。