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アドルノ 解放の弁証法

【内容】
トーマス・マン『ファウスト博士の成立』を手掛かりにユダヤ系ドイツ人としてのアドルノの家庭環境から説き起こす。音楽と哲学をともに志し、クラカウアーにカントを、ホルクハイマーからマルクスの影響を受けた青春時代。批判理論成立の思想的系譜をカント、ヘーゲルにさかのぼってその必然性とともに整理する。『啓蒙の弁証法』から、『否定弁証法』、『ミニマ・モラリア』から『美の理論』まで、主要著作の的確な要約と紹介。M・ジェイなどによる「美の理論」を重視したアドルノ無害化の位置づけに対し、あくまでも「否定弁証法」を批判理論の中軸に据え直し、その思想的活力を回復する。現代の「弛緩したポスト・モダン」(リオタール)の文化産業に翻弄される大衆社会に対し、「自立的主体の回復」(アドルノ)を目指す批判理論の有効性を提示する。

【内容目次】
一 幼年時代の形を変えて
二 批判の概念と課題
三 理性の自己批判
     限定的否定
     啓蒙の二重性各
四 希望なきものの救済
     解放の立場の哲学
     客観の優位
五 すきまのない社会化
     社会の概念
     個人の解消
六 解放された社会の目標
七 美の無力なユートピア
     芸術の破壊と救済
     音楽の沈黙
     芸術から認識へ
八 文化の挫折の中から
     文化の根底的破綻と負い目
     大衆欺瞞としての啓蒙
 原註
 訳注
 アドルノ著作一覧
 年譜
 訳者あとがき

【訳者紹介】
徳永恂1928年、浦和生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。哲学専攻。現在=大阪大学名誉教授、大阪国際大学政経学部教授。訳書に、ホルクハイマー/アドルノ『啓蒙の弁証法』(岩波書店)、アドルノ『否定弁証法』〔共訳〕(作品社)。著書に、『ユートピアの論理』(河出書房新社)、『ヴェニスのゲットーにて』(みすず書房)などがある。
山口祐弘1944年、東京生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了〔哲学専攻〕。ドイツ・ブランシュヴァイク大学PhD。現在=東京理科大学教授。訳書に、ホルクハイマー『理性の腐蝕』(せりか書房)、ロベルト・ユンク『原子力帝国』(社会思想社)。著書に、『近代史の返照』(学陽書房)、『カントにおける人間観の探究』(勁草書房)、『意識と無限』(近代文芸社)などがある。