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カール・シュミット入門講義

【内容】
21世紀最も重要、かつ《危ない》思想家の主要著作と原文を徹底読解し、《危うく》理解され続けるキーターム「決断主義」、「敵/味方」、「例外状態」などを、その思想の背景にある彼が生きた時代と独特な世界観を探りながら、丁寧に解説。現代思想の第一人者による、本邦初の“本格的”入門書。

【内容目次】
●[前書き]──はたして、ダークサイドで、危ない!? カール・シュミットは、「決められない政治」を何とかしてくれるのか?
●[講義] 第1回 『政治的ロマン主義』1─秩序思考
 本当に危ない思想家/決断主義/なぜ、いまシュミットなのか?─自由民主主義の“限界”/日本人はどうシュミットを読んできたのか?/カール・シュミット、その思想の変遷/『政治的ロマン主義』を読む─「政治的ロマン主義」とは?/ロマン派/「文筆家 Schriftsteller」/「実在」概念─「レアリテの追求 La recherche de la Realite」/「国家」と「国民」の創造/シュミットのロマン主義観/〈Volk〉のヴァーチャル性、流動性/質疑応答
●[講義] 第2回 『政治的ロマン主義』2─政治の本質とは何か?
 シュミットとレトリック/「例外状態」〈Ausnahmezustand〉/カトリック保守主義/「私」をめぐるロマン派の思考/政治的ロマン主義への“真面目な”批判/ポストモダン保守主義/ロマン派思想の哲学的背景/「眼に見えぬ力」─秘密結社geheime Bundeと陰謀論/「偶因論 Occasionalismus」もしくは、機会原因論/高次の第三者/スピノザ主義─ロマン主義的な「私」/ヘーゲル主義と〈uber-listen〉「理性の狡知」/ロマン主義の精神構造とビーダーマイヤー的な俗物性/ロマン主義的思考VS.「法」や「政治」/バークとロマン主義/「無限の会話」は政治的公共圏に飛躍できない!?/「政治的ロマン主義者 ein politischer Romantiker」VS.「ロマン主義的政治者 ein romantischer Politiker」/国家と神/ロマン主義者の“誤魔化し”/質疑応答
●[講義] 第3回 『政治神学』1─主権者、法─秩序と例外状態
 ワイマール体制とシュミット/「独裁 Diktatur」/シュミットの「独裁」解釈/「主権者とは、例外状況にかんして決定をくだす者をいう」/法学的思惟の三種類─「規範主義 Normativismus」「決定主義 Dezisionismus」「制度的タイプ der institutionelle Typ」/シュミットの三位一体思考─「国家 Staat」「運動 Bewegung」「民族 Volk」/法の「中立性」批判/「主権者」の本質/「極限領域 die auserste Sphare」あるいは「限界状況 Grenzfall/「最高で(それ以外のものから)演繹することができない支配権力 hochste, nicht abgeleitete Herrschermacht」/アガンベン─ホモ・サケルと例外/ボダンの主権論/「法?秩序 Rechts-Ordnung」/決定/「生の諸関係における正常性=秩序」/主権という名の「権力 Macht」/はたして“純粋な法の論理”は、現実の秩序と一致することができるのか。/団体論(Genossenschaftstheorie)/「最終審級」/法と形式/質疑応答
●[講義] 第4回 『政治神学』2─誰が法を作りだすのか? あるいは「最後の審判」
 ケルゼン批判/「世界観 Weltanschauung」と「国際法 Volkerrecht」/「法的決定 die rechtliche Entscheidung」/ホッブズとシュミット─「真理がではなく、権威が法を作る」/誰が決定するか?/法と自然法則/「法学概念の社会学」/「唯心論的歴史哲学」と「唯物論的歴史哲学」/世界観と社会の基本構造/神なき時代─「民の声は神の声」〈Vox populi, vox Dei〉/ハルマゲドンの闘い─独裁VS.民主主義、アナーキー/反神学的な独裁論/質疑応答
●[講義] 第5回 『政治的なものの概念』1─「友 Freund /敵 Feind」、そして他者
 「第三帝国の桂冠法学者Kronjurist des Dritten Reiches」/「正しい敵 hostis justus」と「ヨーロッパ公法 Jus publicum europaeum」/「政治的 politisch」とは?/「国家Staat」と「社会Gesellschaft」/「判断基準 Kriterien」/「友/敵」の区別の本質/「敵」─「公的offentlich」戦闘状態にある相手/「国家政治的 staatspolitisch」/「政治的決定 die politische Entscheidung」/「人類の最終究極戦争 der endgultig letzte Krieg der Menschheit」/「決断」─「主権」と「政治的なもの」/質疑応答
●[講義] 第6回 『政治的なものの概念』2─政治を決めるのは、誰か?
 国家─多元的な政治の単位/「決定的単位」/「交戦権」/内敵と内乱/正戦論/世界平和は可能か?/「政治的なもの」→国際社会の多元性/「人類 Menschheit」は戦争できない!?/「同盟 League=Bund」/哲学的な国際関係論/人間とは?/自由主義者は、「政治的なもの」を飼い慣らせるのか?/真の政治理論─人間の本性が「悪」であり、「危険」/法と政治/「個人主義的自由主義 der individualistische Liberalismus」の不可能性/「非軍事的・非政治的諸概念」としての自由主義/歴史哲学と「産業社会 industrielle Gesellschaft」への転換/質疑応答
●[講義] 補講 『陸と海と─世界史的一考察』─空間革命と「人間存在 menschliche Existenz」
 シュミットの世界史観、神話的世界観/大地の意味論/リヴァイアサンとビヒモスの戦い─陸と海との根本的な対立/「カテーコンKatechon」─神話的想像力と世界史の関係/技術・捕鯨・海賊─海というエレメントをめぐる興亡史/「空間革命 Raumrevolution」/「秩序 Ordnung」としての「大地のノモス Nomos der Erde」/土地取得競争と宗教戦争/「陸」から「海」への「エレメント」のシフト─イギリスの海軍力と「機械 Maschine」/空の時代─「地球のノモス Nomos der Erde」の根本的変化/空間武器/新しいノモスと「人間存在 menschliche Existenz」/質疑応答
●[後書き]─「決断」についてきちんと考えろ!
●本書では触れていない重要なカール・シュミットの著作
●カール・シュミットを知るために読んでおいたほうがいい研究書
●カール・シュミット関連年表