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思考機械【完全版】第二巻

【内容】
バロネス・オルツィの「隅の老人」、オースティン・フリーマンの「ソーンダイク博士」と並ぶ、あまりにも有名な“シャーロック・ホームズのライバル”。シリーズ作品数50篇を、世界で初めて確定! 初出紙誌の挿絵120点超を収録! 著者生前の単行本未収録作品は、すべて初出紙誌から翻訳! 初出紙誌と単行本の異同も詳細に記録!
ホームズ・パスティーシュを特別収録!
詳細な訳者解説付


隅の老人シリーズは、一作を除いて全作品が単行本に収録されているのに比べ、思考機械は多くの作品が単行本未収録のまま、作品数がどれだけあるかもはっきりしない時代が長かった。今回全作品を収録するとともに、作品数を確定し、版による異同も確認をした。おそらく、英米で出回っている思考機械の書籍よりも詳しい内容だろう。
これらの作品は雑誌発表順に並べられており、フットレルがタイタニック号の沈没事故で亡くなった後に雑誌に発表された遺作も、掲載順に従っている。
さらにこの第二巻には特典として、フットレルが「思考機械」シリーズを開始する以前に同じ新聞紙上に発表したホームズ・パスティーシュを収録した。これは以前にも邦訳があったが、実はこの作品は単独では十分な鑑賞ができない。エドガー・アラン・ポーの「マリー・ロジェの謎」と同じく、実際にボストンで起きた殺人事件の推理を、小説の形で行なっているからだ。当時の人々は小説を読む以前に、連日の報道を紙上で目にしていた。それを前提として、初めて小説の内容が理解できるのである。本解説に、当時の新聞をもとにして、事件の推移を簡単にまとめたので、小説とあわせてお読みいただきたい。
(平山雄一「訳者解説」より)


【第一巻内容目次】
十三号独房の問題/ラルストン銀行強盗事件/燃え上がる幽霊/大型自動車の謎/百万長者の赤ん坊ブレークちゃん、誘拐される/アトリエの謎/赤い糸/「記憶を失った男」の奇妙な事件/黄金の短剣の謎/命にかかわる暗号/絞殺/思考機械/楽屋「A」号室/黄金の皿を追って/モーターボート/紐切れ/水晶占い師/ロズウェル家のティアラ/行方不明のラジウム/訳者解説

【第二巻内容目次】
オペラボックス/失われたネックレス/嫉妬する心/完璧なアリバイ/幽霊自動車/呪われた鉦/茶色の上着/にやにや笑う神像/余分な指/偉大な論理家との初めての出会い/紐の結び目/絵はがきの謎/盗まれたルーベンス/三着のオーバーコート/オルガン弾きの謎/隠された百万ドル/タクシーの謎/コンパートメント客室の謎/バツ印の謎/女の幽霊の謎/銀の箱/囚人九十七号/空き家の謎/赤いバラの謎/消えた男/壊れたブレスレット/妨害された無線の謎/救命いかだの悲劇/無線で五百万/科学的殺人犯人/泥棒カラス/巨大なスーツケースの謎/訳者解説


【著者・訳者略歴】
ジャック・フットレル(Jacques Futrelle)
1875年アメリカ・ジョージア州生まれ。劇場支配人などを経て、新聞王ウィリアム・ハースト傘下の「ボストン・アメリカン」紙の編集者になる。1895年、作家L・メイ・ピールと結婚。1905年、「ボストン・アメリカン」に「思考機械」シリーズ第一作「十三号独房の問題」を発表。1912年、タイタニック号の沈没事故により死亡。このとき、「思考機械」シリーズの数篇が彼の命とともに失われたとされる。

平山雄一(ひらやま・ゆういち)
1963年東京都生まれ。東京医科歯科大学大学院歯学研究科卒業、歯学博士。日本推理作家協会、『新青年』研究会、日本シャーロック・ホームズ・クラブ、ベイカー・ストリート・イレギュラーズ会員。著書に『明智小五郎回顧談』(ホーム社)、『江戸川乱歩小説キーワード辞典』(東京書籍)など、訳書に、ファーガス・ヒューム『質屋探偵ヘイガー・スタンリーの事件簿』(国書刊行会)、バロネス・オルツィ『隅の老人【完全版】』(作品社)など。