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ブヴァールとペキュシェ

【内容】
翻訳も、解説も、訳注もほぼ完璧である。この作品を読まずに、もはや文学は語れない。自信をもってそう断言できることの至福の悦び……。──蓮實重彦。厖大な知の言説(ディスクール)が織りなす反=小説(アンチ・ロマン)の極北、詳細な注によってその全貌が始めて明らかに!


フローベール自身は、この小説のテーマは「科学における方法の欠如について」であり、「近代のあらゆる思想を点検する」のがその野心だと述べている。これをあえて現代的なタームで言い換えてみると、十九世紀の知の言説が形づくる灰色のアーカイブに潜在的に含まれている喜劇の可能性を現勢化したのが、『ブヴァールとペキュシェ』という書物だということになろうか。……フローベールが千五百冊あまりもの本を読み、それについて逐一ノートを取りつつ、そこから拾い上げた「思想のコミック」を小説という形式にふさわしく練り上げたのが、「一種の笑劇風の批評的百科事典」なのだといってよい。それ故、ブヴァールとペキュシェの演じる一見珍妙な悲喜劇が、十九世紀という時代の直面した認識論的な諸問題を深くえぐり出していることは、実は何ら驚くべきことではない。──本書「解説」より