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カズオ・イシグロの視線
記憶・想像・郷愁

【内容】
幼年時代の日本での記憶とイギリスでの体験をもとに、独特の世界を構築するイシグロ。気鋭の英文学者らがノーベル賞作家の全作品を時系列に通観し、その全貌に迫る。

本書のタイトルは『カズオ・イシグロの視線――記憶・想像・郷愁』である。デビュー作の書名『遠い山なみの光』(原題【A Pale View of Hills:イタリック】)にもその語が見られるように、イシグロは遠くを見晴るかす眺め(view)に強く惹かれている。そしてそこに向けられる視線が、物理的に離れた場所だけでなく、時間的な隔たりの彼方にある過去をもとらえようとするものであることは、彼の作品群の随所から理解されるであろう。その原点にあるのが、五歳の時に離れながらもつねに彼とともにあり続けた日本であることは明らかだが、自分自身でしばしば強調するように、懐かしく回想される日本は記憶と想像の入り交じった、独特の世界なのである。本書の各執筆者はそのようなイシグロのテクストに寄り添いながら、彼の視線とその先にあるものをとらえなおそうとしている。――本書「まえがき」より

【内容目次】
まえがき
「記憶の奥底に横たわるもの 『遠い山なみの光』における湿地」荘中孝之
「芸術と家族を巡る葛藤 『浮世の画家』における主従関係」池園宏
「『日の名残り』というテクストのからくり」斎藤兆史
「『充たされざる者』をシティズンシップ小説として読み解く」三村尚央
「二十世紀を駆け抜けて 『わたしたちが孤児だったころ』における語り手の世界と『混雑』した歴史の表象」菅野素子
「『愛は死を相殺することができる』のか 『忘れられた巨人』から『わたしを離さないで』を振り返る」長柄裕美
「『夜想曲集』における透明な言語」荘中孝之
「記憶と忘却の挟間で 『忘れられた巨人』における集団的記憶喪失と雌竜クエリグ」中嶋彩佳
「カズオ・イシグロと日本の巨匠 小津安二郎、成瀬巳喜男、川端康成」武富利亜
「執事、風景、カントリーハウスの黄昏 『日の名残り』におけるホームとイングリッシュネス」金子幸男
「英語の授業で読む『遠い山なみの光』 ネガティブ・ケイパビリティーを養う教材として」五十嵐博久
「カズオ・イシグロの運命観」森川慎也
カズオ・イシグロ作品紹介
カズオ・イシグロ年譜
カズオ・イシグロより深く知るための文献案内
あとがき


【編者略歴】
荘中孝之(しょうなか・たかゆき)
京都外国語短期大学教授。主要論文「日本語、英語、カズオ・イシグロ」(「ユリイカ」2017年12月号)、著書『カズオ・イシグローー日本とイギリスの間から』(春風社、2011 年)。

三村尚央(みむら・たかひろ)
千葉工業大学准教授。主要論文 “The Potential of Art as a Means to Keep Inner Freedom in Kazuo Ishiguro's Never Let Me Go " (『英米文化』第42 巻、2012年)、訳書『記憶をめぐる人文学』(アン・ホワイトヘッド著、彩流社、2017年)。

森川慎也(もりかわ・しんや)
北海学園大学講師。主要論文 “‘Caressing This Wound' : Authorial Projection and Filial Reconciliation in Ishiguro's When We Were Orphans " (Studies in English Literature 第51号、2010年)、訳書『図説ディケンズのロンドン案内』(マイケル・パターソン著、共訳、原書房、2010年)。