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隅の老人【完全版】

【内容】
元祖“安楽椅子探偵”にして、もっとも著名な“シャーロック・ホームズのライバル”。世界ミステリ小説史上に燦然と輝く傑作「隅の老人」シリーズ。原書単行本全3巻に未収録の幻の作品を新発見! 本邦初訳4篇、戦後初改訳7篇! 第1、第2短篇集収録作は初出誌から翻訳! 初出誌の挿絵90点収録!
シリーズ全38篇を網羅した、世界初の完全版1巻本全集!
詳細な訳者解説付。

当時、シャーロック・ホームズの人気にあやかろうとして、イギリスの雑誌は「シャーロック・ホームズのライバルたち」と後に呼ばれる作品を、競うように掲載していた。マーチン・ヒューイット、思考機械、ソーンダイク博士といった面々が登場する作品は今でも読み継がれているが、オルツィが『ロイヤル・マガジン』一九〇一年五月号に第一作「フェンチャーチ街駅の謎」を掲載してはじまった「隅の老人」は、最も有名な「シャーロック・ホームズのライバル」と呼んでも、過言ではない。現在では、名探偵の一人として挙げられるばかりでなく、いわゆる「安楽椅子探偵」の代名詞としてもしばしば使われているからだ。
日本で出版された「隅の老人」の単行本は、残念ながら現在までは(…)日本での独自編集によるものばかりで、オリジナルどおりに全訳されたものがなかった。とくに第三短篇集『解かれた結び目』は未訳作品がほとんどである。本書では、三冊の単行本とこれらに収録されなかった「グラスゴーの謎」を全訳して、完全を期した。
(平山雄一「訳者解説」より)

バロネス・オルツィ
本名エマ・マグダレーナ・ロザリア・マリア・ジョセファ・バーバラ・オルツィ女男爵
Baroness Emma Magdolna Rozalia Maria Jozefa Borbala Orczy de Orczi
1865-1947。ハンガリー低地地方のターナ=オルスに、フェリックス・オルツィ男爵の娘として生まれる。家族とともにブダペスト、ブリュッセル、パリを経て、14歳でロンドンに移住。ハザレー美術学校で絵画を学び、同級生のモンタギュー・バーストウと、1894年に結婚。1901年から『ロイヤル・マガジン』誌で「隅の老人」シリーズの連載を開始。本作の主人公はのちに「シャーロック・ホームズのライバルたち」のひとりに数えられ、「安楽椅子探偵」の嚆矢ともされる。他の代表作に、はじめ1905年に演劇として上演され、小説としても10冊以上が刊行された「紅はこべ」シリーズなど。

平山雄一(ひらやま・ゆういち)
1963年東京都生まれ。東京医科歯科大学大学院歯学研究科卒業、歯学博士。日本推理作家協会、『新青年』研究会、日本シャーロック・ホームズ・クラブ、ベイカー・ストリート・イレギュラーズ会員。著書に『江戸川乱歩小説キーワード辞典』(東京書籍)など、訳書に、J・K・バングズ『ラッフルズ・ホームズの冒険』(論創社)、エリス・パーカー・バトラー『通信教育探偵ファイロ・ガッブ』、ロイ・ヴィカーズ『フィデリティ・ダヴの大仕事』、ロバート・バー『ウジェーヌ・ヴァルモンの勝利』(以上国書刊行会)などがある。

【内容目次】
『隅の老人』
フェンチャーチ街駅の謎
フィルモア・テラスの盗難
地下鉄怪死事件
〈イギリス共済銀行〉強盗事件
リージェント公園殺人事件
パーシー街の怪死
〈E・オルツィ女男爵〉
グラスゴーの謎
ヨークの謎
リヴァプールの謎
ブライトンの謎
エジンバラの謎
ダブリンの謎
バーミンガムの謎

『ミス・エリオット事件』
ミス・エリオット事件
シガレット号事件
ダートムア・テラスの悲劇
誰が黒ダイヤモンドを盗んだのか?
ミス・ペブマーシュ殺人事件
リッスン・グローブの謎
トレマーン事件
アルテミス号の運命
コリーニ伯爵の失踪
エアシャムの謎
〈ノヴェルティ劇場〉事件
〈バーンスデール〉屋敷の悲劇

『解かれた結び目』
カーキ色の軍服の謎
アングルの名画の謎
真珠のネックレスの謎
ロシアの公爵の謎
ビショップス通りの謎
犬歯崖の謎
タイサートン事件
〈ブルードネル・コート〉の謎
白いカーネーションの謎
モンマルトル風の帽子の謎
メイダ・ヴェールの守銭奴
フルトン・ガーデンズの謎
荒地の悲劇

訳者解説