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失われた時のカフェで

【内容】
ルキ、それは美しい謎。現代フランス文学最高峰にしてベストセラー……。ヴェールに包まれた名匠の絶妙のナラション(語り)を、いまやわらかな日本語で――。あなたは彼女の謎を解けますか?
併録「『失われた時のカフェで』とパトリック・モディアノの世界」。ページを開けば、そこは、パリ。

いまもまだ僕には聞こえることがある。夜、道で、僕の名前を呼ぶ声が。ハスキーな声だ。シラブルを少し引っぱった発音で僕にはすぐ判る。ルキの声だ。振り返る、でもそこにはだれもいない。夜だけじゃない。ひと気の引いたこんな夏の午後……でももうよく僕らには判らない、一体どの年の夏に自分がいるのか。もう一度、以前とおなじに全ては始まる。おなじ日々、おなじ夜。おなじ場所、おなじ出会い。《永遠のくりかえし》。(本書より)

【著者紹介】
パトリック・モディアノ(Patrick Modiano)小説家。1968年、La Place de l‘etoileでデビュー。1978年、ゴンクール賞(Rue des boutiques obscures)、1996年、フランス文学大賞(全作品)等々。『生きている最も偉大なフランス作家』とまで称される高い評価を不動のものとすると同時に、簡潔な文体と繊細な時間感覚で独特のミステリアスな作品世界を築き、現代フランス最高の人気を保つベストセラー作家でもある。邦訳に、『パリ環状通り』(講談社)、『暗いブティック通り』(講談社/白水社)、『ある青春』(白水社)、『カトリーヌとパパ』(講談社)、『イヴォンヌの香り』(集英社)、『サーカスが通る』(集英社)、『いやなことは後まわし』(パロル舎)、1941年。パリの尋ね人』(作品社)、『廃虚に咲く花』(パロル舎)、『八月の日曜日』(水声社)、さびしい宝石』(作品社)。1945年生まれ。
平中悠一(ひらなか・ゆういち)小説家。1984年、『She’sRain』で第21回文藝賞を受賞、デビュー。著書に『アイム・イン・ブルー』(幻冬舎)、『僕とみづきとせつない宇宙』(河出書房新社)、ミラノの犬、バルセローナの猫』(作品社)、他。1965年生まれ。パリ大学修士課程修了。