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愛するものたちへ、別れのとき

【内容】
アメリカの、ハイチ系気鋭作家が語る、母国の貧困と圧政に翻弄された少女時代。愛する父と伯父の生と死。そして、新しい生命の誕生。感動の家族愛の物語。
【全米批評家協会賞受賞作!】

私がこの本を書いたのは、大切な先祖たちと新しい生命とに敬意を表し、正義を要求し、世界中の移民たちの窮状に目を向けてもらうためでしたが、同時に私は、この本を読むことが読者の方々にとって喜びであるようにと願っています。皆さんはこの本のなかで、今まで知らなかったタイプの人びとに出会うでしょう。でも、東京に住んでいる人であってもポルトープランスに住んでいる人であっても、心のなかでは同じ深い感情や愛や喜びや苦しみを経験します。私はこれまでに皆さんの美しい国を二度訪れました。いま私は、この本で、皆さんを私の国にお連れし、私たちの喜びと苦しみを体験していただきたいと思います。私は、少女のころに伯母さんと早朝に歩いたあのコウォのように、みなさんとともにこの神聖な旅に出かけられることを嬉しく思います。みなさんがこの本を楽しんでくださることを心より願っています。――エドウィージ・ダンティカ「日本の読者への手紙」より

【内容目次】
日本の読者への手紙
第一部 この人は私の兄です
父の人生/瀕死/報告/別離/死すべき生命/グッ・バイ/生命を産む/帰郷・再会/二人の父/ジプシー
第二部 悩みのときのために
声/死の天使と父なる神/とんだ礼砲/辛い別れ/闇を打つ/地獄/打ち捨てられしもの/恥辱/在留外国人二七〇四一九九九号/明日/苦しみ/落ちる星の定め/来世で/別れる準備のとき
訳者解説

【著者紹介】
エドウィージ・ダンティカ(Edwidge Danticat)1969年ハイチ生まれ。12歳のときニューヨークへ移住、ブルックリンのハイチ系アメリカ人コミュニティに暮らす。バーナード女子大学卒業、ブラウン大学大学院修了。94年、修士論文として書いた小説『息吹、まなざし、記憶』(Breath, Eyes, Memory)でデビュー。少女時代の記憶に光を当てながら、歴史に翻弄されるハイチの人々の暮らしや、苛酷な条件のもとで生き抜く女たちの心理を、リリカルで静謐な文体で描き出し、デビュー当時から大きな注目を集める。短篇集『クリック? クラック!』(Krik? Krak!, 1995)で全米図書賞最終候補、『骨狩りのとき』(The Farming of Bones, 1998)で、米国図書賞受賞。本書『愛するものたちへ、別れのとき』(Brother, I'm Dying, 2007)で全米書評家協会賞受賞。邦訳に、『骨狩りのとき』(作品社、2010)、『アフター・ザ・ダンス』(現代企画室、2003)、『クリック? クラック!』(五月書房、2001)、『息吹、まなざし、記憶』(DHC、2000)、「葬送歌手」(『月光浴――ハイチ短篇集』所収、国書刊行会、2003)など。

佐川愛子(さがわ・あいこ)
1948年生まれ。女子栄養大学教授。訳書に『骨狩りのとき』(作品社)、共著書に『ハーストン、ウォーカー、モリスン――アフリカ系アメリカ人女性作家をつなぐ点と線』(南雲堂フェニックス、2007)、『カリブの風――英語文学とその周辺』(鷹書房弓プレス、2004)、『アメリカ黒人文学とその周辺』(南雲堂フェニックス、1997)など。


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