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史話 日本の古代 第五巻 聖徳太子伝説

【内容】
「戦争の世紀」といわれた二十世紀が幕を閉じ、私たちをとりまく国際環境は、従来とは全く異なった様相を呈しています。国際情勢が大きく変動する中で、今ほど日本の社会、日本人の本質が問われているときはありません。
グローバリズムが世界を席巻している現時点では、大戦後五十数年続いた国家の名前が消失したり、国家の概念そのものが大きく揺らいでいます。まさに人々がはじめて国を創り、国家体制を造りあげた古代の時代に相似しています。
周囲を波に洗われる日本列島ですが、決して隔絶された「島国」だったわけではありません。古代においては、近接する東アジアの国ぐにの影響を受け、あるときは大量の難民が流入し、あるときは先進文化をたずさえた人びとが多数渡来して新しい文化の基層をつくりました。またあるときは政変が起きて、社会と人びとの生活に変化をもたらしました。先人たちはどのような思い、方法で現代に続く「日本」を創ったのでしょうか。
科学が高度に発達した今日、有史以前の学説は炭素同位体による年代測定、花粉分析、DNA鑑定などにより、より正確に解析されつつあります。しかしながら、いかに科学的知識をもってしても、文化を創り、社会を形成するに至る古代人の心情の機微にまでは達することはできません。客観的資料の乏しい古代世界はいまだ謎とロマンに満ちており、新たな発掘や資料発見により従来の定説がしばしば大きく塗り替えられ、私たちの想像力はより一層かきたてられます。
本企画は、そうした歴史に対する想像力を踏まえた「史話」という観点から、歴史学や考古学、さらには人類学や民俗学の成果を紹介しながら、古代日本の「生きた姿」をアンソロジー形式で浮かび上がらせようとするものです。
指針なく方向の定まらない現代において、「日本の古代」をひもとくことは、「日本の未来」を切り開く鍵となるでしょう。。

【内容目次】
はじめに(和田萃)
蘇我氏の発展(山尾幸久)
蘇我氏と物部氏の抗争(前之園亮一)
藤ノ木古墳の二人の被葬者(和田萃)
崇峻天皇暗殺の犯人は誰だ(豊田有恒)
女帝の即位(吉村武彦)
コラム 蘇我馬子(加藤謙吉)
聖徳太子の謎(黒岩重吾)
外務官僚に読ませたい憲法十七条(上原和)
聖徳太子と東アジア世界(林屋辰三郎)
コラム 秦河勝(井上満郎)
法隆寺とヒノキ(西岡常一)
太子道をゆく(立松和平)
死の聖化――『聖徳太子伝暦』(抄録・梅原猛)
創られた太子信仰(大山誠一)
聖徳太子のかたち――絵画・彫刻から太子イメージを探る(武田佐知子)
飛鳥「悪人」伝――ソガ入鹿(門脇禎二)
コラム 太陽の鳥(岡本健一)