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史話 日本の古代 第八巻 平安京の光と闇

【内容】
「戦争の世紀」といわれた二十世紀が幕を閉じ、私たちをとりまく国際環境は、従来とは全く異なった様相を呈しています。国際情勢が大きく変動する中で、今ほど日本の社会、日本人の本質が問われているときはありません。
グローバリズムが世界を席巻している現時点では、大戦後五十数年続いた国家の名前が消失したり、国家の概念そのものが大きく揺らいでいます。まさに人々がはじめて国を創り、国家体制を造りあげた古代の時代に相似しています。
周囲を波に洗われる日本列島ですが、決して隔絶された「島国」だったわけではありません。古代においては、近接する東アジアの国ぐにの影響を受け、あるときは大量の難民が流入し、あるときは先進文化をたずさえた人びとが多数渡来して新しい文化の基層をつくりました。またあるときは政変が起きて、社会と人びとの生活に変化をもたらしました。先人たちはどのような思い、方法で現代に続く「日本」を創ったのでしょうか。
科学が高度に発達した今日、有史以前の学説は炭素同位体による年代測定、花粉分析、DNA鑑定などにより、より正確に解析されつつあります。しかしながら、いかに科学的知識をもってしても、文化を創り、社会を形成するに至る古代人の心情の機微にまでは達することはできません。客観的資料の乏しい古代世界はいまだ謎とロマンに満ちており、新たな発掘や資料発見により従来の定説がしばしば大きく塗り替えられ、私たちの想像力はより一層かきたてられます。
本企画は、そうした歴史に対する想像力を踏まえた「史話」という観点から、歴史学や考古学、さらには人類学や民俗学の成果を紹介しながら、古代日本の「生きた姿」をアンソロジー形式で浮かび上がらせようとするものです。
指針なく方向の定まらない現代において、「日本の古代」をひもとくことは、「日本の未来」を切り開く鍵となるでしょう。。

【内容目次】
はじめに(村井康彦)
新しい王朝の成立(吉田孝)
飛騨匠の物語――造都事業の中心的存在(村井康彦)
大同二年に、窟屋の奥で悪路王は死んだ(赤坂憲雄)
コラム 平安京を守護する神(古橋信孝)
薬子の変(瀧浪貞子)
大伴一族の盛衰(杉浦明平)
最澄・空海と平安新仏教(笹山晴生)
大師伝説の思想(宮田登)
天神様――菅原道真とその伝説(松島榮一)
帰りはメメント・モリ――天神 都のそらにとどろく(五木寛之)
陰陽師・安部晴明が見すえた「闇の世界」(小松和彦)
コラム 重ねの美(増田美子)
『源氏物語』にみる理想の女性像(田辺聖子)
紫式部の顔(瀬戸内寂聴)
『枕草子』――清少納言の病の美学(槙佐知子)
和泉式部(折口信夫)
平安貴族の愛と性(服藤早苗)
コラム 「河原」と歓楽街(高橋学)
大納言狐(山本周五郎)
江戸人と日本の古典(丸谷才一・田中優子)