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釈迦と維摩

【内容】
煩悩即菩提「煩悩あればこそ悟りもある」大乗仏教の根本思想を、諸菩薩と維摩とのダイナミックな問答の内に浮き彫りにする大乗の古典の大胆な小説化。 仏教に造詣深い著者による書き下ろし畢生のライフワーク。

【著者の言葉】 数ある仏典の中でも、「維摩経」は最も奥深い真理を描いた経典といっていいでしょう。この経典はまた、ギリシャ悲劇のような劇的な構成が施されています。マンゴー園における釈迦と弟子たちの語らいを序幕とすると、登場人物たちが入れ替わりに維摩のエピソードを語って、観客の期待を盛り上げておいてから、いよいよ主人公の維摩が登場して、釈迦の代理として病気見舞いに赴いた文殊と対決します。(中略) 言葉によっては示すことのできない真理を、言葉によって示す。そんな魔術か手品のような試みに挑んだのが、「維摩経」という経典です。わたしの小説では、その手品の仕掛けをさらに綿密に増やしてありますので、多くの読者が、言葉によっては示すことのできないはずの真理が、言葉によって語られる場面に遭遇して、驚かれることと思います。その驚きが、読者の世界観を拡げ、読者の人生をさらに豊かなものにすることを信じて、筆を置きたいと思います。

【著者紹介】
三田誠広(みた・まさひろ)1948年大阪生まれ。早大文学部卒。日本文芸家協会常務理事。『僕って何』(77)で芥川賞受賞。釈迦を素材とした『鹿の王』、釈迦の言葉を論じた『青春のアーガマ』をはじめ『法華経』『般若経』の入門書を刊行するなど、中堅作家では屈指の仏教通として知られる。

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