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双子のコッペリア

【内容】
人間、動物、そして命なき人形たち。 現実、夢、超現実。詩と短篇小説の協演。


盲人が貝のベッドで眠りにつく。
盲人の世界は、
出口のないトンネルのようなものだ。
そのトンネルには、
明かりもないし、映像もない。
盲人も夢を見る。
盲人は、夢の中で、
断片的ではあるが、
鮮明な映像を見て驚く。
それは、目が悪くなる前に見た、
映像の残像であるかもしれないが、
現在の心の状態をあらわしている。
(本書所収「貝のベッド」より)


【内容目次】
序文

第一部 詩集
第一章 季節と歳月
ラッパと北風/銅像に雪が積もった/動物病院の霊安室/花の中の小人(こびと)/桜、散る/藤の花/春風(はるかぜ)と詩集/セイウチ/カタツムリの家/ヒマワリ/ロビンソン・クルーソー/お祭で売っているか、カラーヒヨコ/台風と草の中の虫/秋の日暮れ/カマキリ虫と赤いリボン/秋の気配/のれん
第二章 人形たちのセレナード
人形と花束/海底の人形/難破船と人形/海と人形/お菓子の人形/雨の日の人形/夜の人形/紙の人形/雲の上の人形たち/目をつぶる人形
第三章 家族の対話
バスケットとウサギ/ペアルック/カボチャと黒い犬/外国旅行
第四章 球体について
ピンポン玉の誤飲/タヌキの赤ちゃん/冬の日のお日様/チェコでタバコを買おうとする夢
第五章 雑詩編
パンの分配/トンネルの向こう側/短銃/関西の印象/貝のベッド

第二部 短編小説 双子のコッペリア
第一章
刊行者の序文/登場人物一覧表/居酒屋と仏具店/四月の誕生日/私はこの盲人を知っている/メールが来た
第二章
松の木を切り倒す/ドライブと事故の顛末/火事と記憶喪失/友人の助言/コーヒーのチェーン店/転落と死亡
第三章
双子の姉、妹に成り済ます/私たち姉妹が高次脳障害になったこと/弟のこと/老人ホームにて/玉川登志夫さんのこと/結末


【著者略歴】
生源寺宏行(しょうげんじ・ひろゆき)
1960年生まれ。京都大学文学部卒業。学習院大学大学院修士課程修了。2002年、同大学院博士後期課程満期退学。2004年、脳腫瘍を手術し、視覚障碍者となる。2009年、あんまマッサージ指圧師免許取得。2010年、脳腫瘍が再発し、手術する。2013年、『海と人形』を作品社より刊行。現在、静岡市に在住。