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探偵奇譚 呉田博士【完全版】

【内容】
江戸川乱歩、横溝正史、野村胡堂らが愛読した、オースティン・フリーマン「ソーンダイク博士」シリーズ、コナン・ドイル「シャーロック・ホームズ」シリーズの鮮烈な翻案! 日本ミステリー小説揺籃期の名探偵、法医学博士・呉田秀雄、100年の時を超えて初の完全集成! 限定1000部。投げ込み付録つき。乱歩や横溝のエッセイなどを通して、春影の名前を知っている探偵小説ファンは多いだろうが、実際に作品を読んだことのある人は少ないのではないだろうか。 これは乱歩の登場で、日本でも創作探偵小説が一般的になったため、翻案探偵小説作家の注目度が相対的に下ったことも影響していると思われる。だが、春影が明治末に『呉田博士』を刊行しなければ、日本の探偵小説史が変わった可能性があることを考えれば、決して等閑視できない作家であることは理解できよう。 本書『探偵奇譚 呉田博士【完全版】』は、春影の代表作「呉田博士」シリーズ全六篇を、第一篇の巻頭に置かれた押川春浪の「序」、三津木春影による「まえがき」を含めて完全復刻した。春影名義の単行本が刊行されるのは約八〇年ぶり、「呉田博士」シリーズが全一冊にまとまるのは初となる。この一冊が、探偵小説史の空白を埋める一助になれば幸いである。 末國善己「編者解説」より

【内容目次】
「第一篇」序(押川春浪)/第一篇まえがき/探偵好きの呉田医学博士/恐しき夢中の犯罪/奇絶怪絶 飛来の短剣/横浜居留地 怪しの自動車/巧妙自在 奇怪(ふしぎ)の指紋(ゆびあと)/不思議の指輪 五人の命 「第二篇」第二篇まえがき/最近に起りたる四大探偵事件/森林中の足跡/不思議の白砂/汽車中の殺人/変死人の手紙 「第三篇」第三篇まえがき/海岸の屍体/胆取り/名馬の犯罪/破獄の紳士 「第四篇」第四篇まえがき/河底の宝玉 「第五篇」火中の骸骨/金塊鎔解の秘密/機関士の拇指/不思議の毒物 「第六篇」床下の怪電話/洞窟内の顔無死体/巻煙草(シガー)の灰/博士臨終の奇探偵 編者解説 付録「三津木春影『呉田博士』とその時代」  横溝正史「三津木春影のこと」  江戸川乱歩「ポーとドイルの発見」  野村胡堂「銭形平次以前(抄)」  三津木貞子「『呉田博士』を書いた頃の春影」

【著者紹介】
三津木春影(みつぎ・しゅんえい)1881-1915。小説家・翻訳家。早稲田大学英文科卒。はじめ自然主義文学を志し、05年「新声」に「破船」を発表。08年、閃電子名義で押川春浪の「冒険世界」の編集に携わる。探偵小説作家としては「呉田博士」シリーズが代表作。訳書にモーリス・ルブラン『古城の秘密』(『813』)、『金剛石』など。 末國善己(すえくに・よしみ)1968-。文芸評論家。編書に『国枝史郎探偵小説全集』、『国枝史郎歴史小説傑作選』、『国枝史郎伝奇短篇小説集成(全二巻)』、『国枝史郎伝奇浪漫小説集成』、『野村胡堂探偵小説全集』、『野村胡堂伝奇幻想小説集成』、『山本周五郎探偵小説全集(全六巻+別巻一)』(以上作品社)など。

末國善己(すえくに・よしみ)1968-。文芸評論家。編書に『国枝史郎探偵小説全集』、『国枝史郎歴史小説傑作選』、『国枝史郎伝奇短篇小説集成(全二巻)』、『国枝史郎伝奇浪漫小説集成』、『野村胡堂探偵小説全集』、『野村胡堂伝奇幻想小説集成』、『山本周五郎探偵小説全集(全六巻+別巻一)』、『探偵奇譚 呉田博士【完全版】』(以上作品社)など。