七号病室
七号病室
本体 1500円
46判上製
ISBN4-86182-065-0
発行2005.12
【内容】
夭逝の鬼才が獄中で綴った、『天皇ごっこ』以前の衝撃の初期作品!
「七号病室」東大を出て精神病理学の研究室に入った「私」は、凶悪犯罪専門の長期刑務所で受刑者相手の精神科医をしている。凶悪犯罪者の中から、特に際立った精神構造をした人物を探そうとしているのだが、受刑者たちは意外にまともな人物ばかり。辟易していた「私」の前に、Tが現れる。Tは自分をメシアと信じ、「私」に世界救済の為の青写真を語り始める。「私」とTの、息詰まる神経戦の幕が、切って落とされる。
「改造」元新左翼で、新右翼の田村は「世界改造委員会」なる組織を作るが、同じ組織の本田を殺し、収監される。田村は刑務所で、犯罪心理学を極めようとする精神科医と、スリリングな、カウンセリングという名の対決に臨む。「七号病室」と表裏をなす、自伝的作品。
【著者紹介】
見沢知廉(みさわ・ちれん)小説家 59年東京生まれ。中央大学法学部除籍。16歳より新左翼に参加し、成田管制塔事件などを闘う。80年より新右翼活動に入る。82年、火炎瓶焼き討ち事件等に連座、12年の刑を受け、千葉刑務所に入所。94年、出所直前に「天皇ごっこ」で新日本文学賞佳作。他の著書に『囚人狂時代』『調律の帝国』『ライト・イ