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テロワールとワインの造り手たち
ヴィニュロンが語るワインへの愛

【内容】
テロワールとはどういう概念なのか、どこに存在するのか、テロワールを表現するとは、どういうことか。土壌とぶどう栽培には、どんな関係があるのか。醸造の神様アンリ・ジャイエの精神を継ぐヴィニュロンたちやワイン関係者、総勢56名が、テロワールの意義を問い、ワイン造りの哲学とその真髄に迫る。
フランス・グルマン・アワード「フランスワインに関する最優秀書籍」受賞作!

●ワインの複雑な味わいには、テロワールの個性が見事に反映されていることも多いけれど、それをもたらしているのは造り手の汗だ。ワインの将来性を決めるのは、造り手の責任なのだ。――アンリ・ジャイエ
●優れたワインを造るには、土壌、気候、日照の条件がすべてそろっている必要がある。ヴィニュロンの利点は、自らの畑がもつ最良の特性を発見できることだ。――レオナール・フンブレヒト
●偉大なヴィニュロンはある種の哲学者なのである。毎年、自分が造るワインのなかでクリュの「存在」を定義しようと試みる、「存在」についての考察者といってもよい。――オベール・ド・ヴィレーヌ
●ヴィニュロンたちは、うまいことをいいますよね。ワインを味わいながら、こういうんです。まるで自分の畑から拾ってきた石をなめているみたいだってね。――クロード・ブルギニョン

【内容目次】
序文 ジャッキー・リゴー
第一部 テロワールにかかわる歴史、土地、人々
 テロワール――その発見と現実 ジャッキー・リゴー
 テロワールの喧騒 ジャック・ペラン
 テロワールと造り手の個性 ジャン=ルイ・ラプランシュ
 私には夢がある…… アンリ・ジャイエ
第二部 ヴィニュロンたちのことば
 人間とワイン ジャッキー・リゴー
●アルザス
 アルザスのぶどう畑 ジャッキー・リゴー
 セパージュはファーストネーム、テロワールはファミリーネーム レオナール・フンブレヒト
 ぶどう屋としての自己哲学 マルク・クレイデンヴァイス
●ボルドー
 ボルドーのぶどう畑 ジャッキー・リゴー
 テロワール ステファン・デュルノンクール
 ボルドーの土壌 フランソワ・ミジャヴィル
●ブルゴーニュ
 ブルゴーニュのぶどう畑 ジャッキー・リゴー
○シャブリ
 シャブリのふたつのテロワール――ヴィニュロンの視点から ヴァンサン・ドーヴィサ
○コート・ド・ニュイ
 テロワールとは調和の美学 ベルナール・ブーヴィエ(ドメーヌ・ルネ・ブーヴィエ、ジュヴレ=シャンベルタン)
 ブルゴーニュ地方とクロ・デ・ランブレイのテロワール ティエリー・ブルーアン(ドメーヌ・デ・ランブレイ、モレ=サン=ドニ)
 テロワール哲学は絶対である! フィリップ・シャルロパン(ジュヴレ=シャンベルタン)
 テロワールにこそ真実がある ブルーノ・クレール(マルサネ)
 テロワールを超越する ブルーノ・クラヴリエ(ヴォーヌ=ロマネ)
 テロワールにまつわる回想 オベール・ド・ヴィレーヌ(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティ、ヴォーヌ=ロマネ)
 ドメーヌ・デュガ=ピィ――土壌に献身する家族 ベルナール、ジョスリーン、ロワック・デュガ=ピィ(ジュヴレ=シャンベルタン)
 素顔のままで アンヌ・グロ(ヴォーヌ=ロマネ)
 テロワールの真実 ルイ=ミシェル・リジェ=ベレール(ヴォーヌ=ロマネ)
 畑仕事は子育てのようなもの ジャン=ニコラ・メオ(ヴォーヌ=ロマネ)
 テロワールに語らせる ドニ・モルテ(ジュヴレ=シャンベルタン)
 テロワールの表現 クリストフ・ペロ=ミノ(モレ=サン=ドニ)
 テロワールについて シルヴァン・ピティオ(モレ=サン=ドニ)
 ヴィニュロンにとってのテロワール、環境、道徳とは パトリス・リオン(ニュイ=サン=ジョルジュ)
 テロワールとワイン造りの情熱 ジャン=ルイ・トラペ(ジュヴレ=シャンベルタン)
○コート・ド・ボーヌ
 ブシャール・ペール・エ・フィスにおけるテロワールの考えかた ジョセフ・アンリオ(ボーヌ)
 テロワール――土壌からぶどうに伝えられ、人間によって表現されるメッセージ ヴェロニク・ドルーアン(ボーヌ)
 父と母に――そしてぶどうとワインへの情熱をもたせてくれた双子の妹ポーレットに捧げる モーリス・ジロー(シャトー・ド・ポマール)
 ドメーヌ・ジャック・プリュール ナディーヌ・ギュブランとマルタン・プリュール(ムルソー)
 テロワールをよみがえらせる ドミニク・ラフォン(ムルソー)
 テロワールとヴィニュロン――ハーモニーの探求 フレデリック・ラファルジュ(ヴォルネイ)
 テロワールの力強さ ジャック・ラルディエール(メゾン・ルイ・ジャド、ボーヌ)
 メゾン・ルイ・ジャド ピエール=アンリ・ガジェ(ボーヌ)
 テロワールの真髄 アンヌ=クロード・ルフレーヴ(ピュリニー=モンラッシェ)
 オスピス・ド・ボーヌの管理責任者として ローラン・マス(オスピス・ド・ボーヌ)
 テロワールの表現 ジャン=クロード・ミタンシェ(シャトー・ド・ムルソー)
 ワインあるところに文明あり エティエンヌ・ド・モンティーユ(ピュリニー=モンラッシェ)
 テロワールへの冷静なる情熱 ピエール・モレ(ムルソー)
 畑のテロワール、醸造所のテロワール ジャン=マルク・ルーロ(ムルソー)
○マコネー
 山奥の哲学者! マルク・ジャンボン(ピエールクロ村)
○ロワール
 ロワールのぶどう畑 ジャッキー・リゴー
 人間とテロワール ディディエ・ダグノー(プイイ=シュル=ロワール)
 ソミュールとソミュール=シャンピニー――テロワールの再現 ナディ・フコー(ソミュール=シャンピニー)
 ワイン農夫からワインをこよなく愛する皆さんへ ニコラ・ジョリー(サヴニエール)
 テロワールと職人気質 アルフォンス・メロ(サンセール)
 AOCの慣習と誤用 フランシス・ポワレル(カール・ド・ショーム)
 シリス――大地へのオマージュ ジャック・サレ(カンシー)
○シャンパーニュ
 シャンパーニュのテロワール ジャッキー・リゴー
 テロワールワインとは岩清水だ アンセルム・セロス(アヴィズ)
●フランス以外のワイン生産地
 世界のワイン造り ジャッキー・リゴー
○イタリア
 イタリアのテロワール ジャッキー・リゴー
 モンテニードリのテロワール エリザベッタ・ファジュオーリ(トスカーナ)
 モンタルチーノ リオネール・クザン(クパーノの造り手、モンタルチーノ)
○カリフォルニア
 カリフォルニアのワイン――新たなテロワールの歴史 ジャッキー・リゴー
 テロワールをめぐる真相 クリストファー・ハウエル(ケイン・ヴィンヤード)
 崇高な土地という概念 テッド・レモン(リトライ)
 テロワールの概念は四つの要素の融合 デヴィッド・レイミー
○南アフリカ
 南アフリカの歴史とワイン造り ジャッキー・リゴー
 南アフリカのワイン産業 ジュネル・ヴァーミューレン(南アフリカのケープ・ワインマスター)
第三部 生きている大地
 生きている大地 ジャッキー・リゴー
 ヴィニュロン、グルメ、テロワール、世界、そして…… フランシス・アンドリュー
 母なる大地 ジャック・サレ
 接ぎ木していないぶどう樹とプロヴィナージュの未来 リディア&クロード・ブルギニョン(LAMS〔土壌微生物分析研究所〕所長)
 クロード・ブルギニョンへのインタビュー ジャック・サレ、ジャッキー・リゴー
 ビオディナミに関する緊急課題 ニコラ・ジョリー
 テロワールは回顧的な概念なのか ポール・ハイヤット
 テロワールとソムリエ ミシェル・スモラレク(シャトー・ド・ジリー=レ=シトー)
訳者あとがき――ひとりの日本のワイン愛好家として

【著者・訳者紹介】
ジャッキー・リゴー(Jacky Rigaux)ワインジャーナリスト・ブルゴーニュ大学市民教養講座の責任者。人文科学の知識にもとづき、テロワール中心のブドウ栽培やワインの造り手について、多数の書籍を執筆している。大学では、「ワインと文化」、「テロワールの知識に基づく実践的デギュスタシオン」という、ふたつのディプロマコースを担当している。邦訳に『テロワールとワインの造り手たち ヴィニュロンが語るワインへの愛』(編著、作品社)『アンリ・ジャイエのブドウ畑』、『ヴォーヌ=ロマネの伝説 アンリ・ジャイエのワイン造り』、『ブルゴーニュワイン100年のヴィンテージ 1900-2005』(以上白水社)がある。
野澤玲子(のざわ・れいこ)翻訳家。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート。訳書に、ジャッキー・リゴー編著『テロワールとワインの造り手たち ヴィニュロンが語るワインへの愛』、キリアン・スタンジェル『ワインを極める! トリビア・クイズ600』、『ワインをもっと極める! トリビア・クイズ600』(以上作品社)など。